糸子:「お義母さんから葉書が来たでえぇ」
正典:「おおぅ、何言うてや」
糸子:「...かいつまんで言うたら、『頑張れ』ちゅうこと」
正典:「かいつまみ過ぎや」
小梅(ナレ):「みんなぁ、元気にしとりますか?スペインは夏です」
正典:「日本も夏やちゅうに」
小梅(ナレ):「スペインの夏はほんまにカラッとしとってぇ、洗たジーパンが3分で乾きます」
正典:「ジーパン!お母ちゃんが履いとんけ!」
小次郎:「そうは書いとらんがな」
小梅(ナレ):「こねよう乾いたら、塗箸は追いつかんやろねぇ」
正典:「スペインまで行って塗箸言うとるわ」
三人:(笑)
小梅(ナレ):「そろそろ堂島百貨店に卸すお箸ができる頃け?」
糸子:「はぁい。もうすぐ完成ですぅ」
小梅(ナレ):「あそこに並ぶんやなあ。正太郎ちゃんから受け継いだ塗箸が。頑張ってね。頑張って正太郎ちゃんの塗箸を伝えていってね」
小次郎:「ほんまに母ちゃんは、『塗箸、塗箸』。(正典に向けて)なあ」
糸子:「『塗箸、塗箸』、『正太郎ちゃん、正太郎ちゃん』やなぁ」
三人:(笑)
正典:「(「さがさないでください。 小次郎」の書置きを手にして)また何を子供みたいなことしとんねん、あいつはぁ」
糸子:「あらあ。宝物置いてったんやねえ」
正典:「帰ってくる気満々やないな!」
● それでも、正平から「尋常やないで」と言われ、糸子から「この間のことが堪えとったんやろか」と問われると、責任を感じてしまう正典。いささか目が泳いだり、「なんとなく」を期待する仕草が妙に可愛い。
糸子:「なんや、本気みたいな気ぃするんやわ」
正平:「なんで?」
正典:「どうせまた、『なんとなく』やろ?」
糸子:「違う。(身を乗り出す正典)......漠然と」
正典:「一緒やな」