第16週:人のふり見て我が塗り直せ

(コピペ用→)今週の正典さん

第86回

● 新婚生活早々にさっそくすれ違う喜代美と草々。大阪の家を出て小浜の和田家に向かったのは喜代美ではなく、草々のほうだった。となると、出迎えた正典や正平も喜代美のことを聞くのは当たり前。それにしてもこの親子二代の突っ込み、全国3,000万人の正典ファンが「『ザ・たっち』かよ!」と思ったことだろう。

正典:「ほやけんど......草々君」
草々:「なんですか?」
正典:「喜代美独りにしてええんこ?」
草々:「......実は.....早すぎたかな思てるんです。結婚するの」
正典・正平:「ちょっと!
正平:「今さら考えんでも明らかに早すぎるやろ」

第87回

● 糸子が家出し、喜代美・草々が帰省中とあって、第87回にして初となる異色の面子での夕餉の席。はい、スカタンきたこれ。

正典:「いただきます」
喜代美・草々・正平:「いただきます」
正典:「福神漬けは?」
喜代美:「ちゃんと出したるわ!」
正典:「そない得意気にすることやないやろ
喜代美:「あ。空っぽや」
正典:「相変わらずスカタンやのぉ、喜代美は」

第88回

● 順子から聞かされた突然の「子供ができた」で、和田家の店先では友春・喜代美・草々の三人がちょっとした修羅場を演出。一方、裏手の工房ではなんと緊張感の無い会話が。

松江:「ほんでうち、こっそりポチの後つけたんよ。ほしたら案の定、西川さんとこのほれ...おるやな...可愛らしいマルチーズ、あそこへ夜這いに行っとったんよぉ」
正典:「犬の噂話までせんでええやな

第89回

実際、草々が弟子入りしたらこれを機会に工房の天井を高くするべきだと思う(´・ω・`)。

第90回

● 糸子の発案で、なぜか和田家に集う友春・順子の関係者たち。正平のやりとりを見る限り、正典も相当「冷静にもの言える人間」だと思うけど。というか同世代なら草々がおるやないけ。

正平:「ただいま......(全員が集まった居間を見て)何事?」
糸子:「正平、座んなれ」
正典:「わざわざ正平に聞かすこともないんとちゃうけ
糸子:「同世代の男の子の意見も必要やな」
喜代美:「まあ、一人ぐらい冷静にもの言える人間がおったほうがええわな」
正典:「それもそうやの」

● でもって、神がかり的な観察眼で冷静に対処する正平。そこでまた息子相手に神がかり的な突っ込みを入れる正典。

草々:「順子ちゃんのお腹に友春の子供がおんね」
正平:「なんや。そのことか」
喜代美:「知っとん!?」
松江:「噂になっとんけ!?」
正平:「ほうやないわ。けど、うすうすわかる。順子さんの顔見たらいつもと違うなんや優しげな顔になっとるでぇ、『あぁ、これは新しい命を授かったんやなぁ』と」
喜代美:「そこまでわかるんけ!?」
正典:「冷静な観察力通り越して、気色悪いでお前

● 遅れてやってきた秀臣も座り、いよいよ二家族が対面してのなんとも切ないやり取りが火蓋を切る。あまりでしゃばらず、さりとて突っ込みを忘れずに幸助をとりなす正典もかっこいいが、それより何より順ちゃんかっけー。それでは、マキノノゾミがノーヒット・ノーランと評した「S#1 小浜和田家の居間」の9回裏の攻防をノーカットで。開始2分で9回裏だけど。

秀臣:「失礼します(正座で座る)。このたびは、うちの友春が大変失礼なことをいたしまして、お詫び申し上げます。(手をついて頭を下げる)」
幸助:「どないしてくれるんと?こんな小さい街でぇ、どね転んでも順子は後ろ指差されて生きていくしかないやないか!」
正典:「幸助さん、ちょっと落ち着きなれ」
秀臣:「私としては、こうなった以上すぐにでも順子さんに嫁いできていただきたいと考えております」
友春:「お父さん!ほやさけ言うとるやんか。俺は魚屋になるって!」
秀臣:「お前は黙っていなさい」
友春:「嫌や」
秀臣:「友春!」
友春:「順子の...順子さんのお父さん、お母さん、俺に鯖の焼き方を教えてください」
幸助:「何を生意気なことを。焼き鯖はなあ、お前みたいなアホに焼けるほど甘いもんやないでぇ」
正典:「幸助さん、そんな目の前で『アホ』てぇ
秀臣:「友春、勝手は許さないと言ったはずだぞ」
友春:「もう決めたんや!」
順子:「逃げとるだけやろ。製作所の跡継ぐ自信無くなって、それで逃げとるだけやろ」
友春:「どねしても結婚したいはほんまやけど、製作所の跡継ぐ自信無いのもほんまなんや。俺より優秀な社員はなんぼでもおるでぇ、俺が継ぐことがええことやて思えへんね」
幸助:「冗談やないでぇ。箸は作れんけぇど、焼き鯖やったら焼けるとでも思とんのこ。焼き鯖なめんなよ!」
友春:「ほんでも頑張るしかないやん!順子のお腹の子ぉはぁ、俺の子ぉなんやでぇ。一所懸命働きますさけ、お婿にしてください!(頭を下げる)」
糸子:「幸助さん、松江さん、こねん熱心に頼んどんやさけ......」
正典:「ちょっと待ちなれよ。友春くん。わしはなぁ、友春くんは製作所を継ぐべきやと思う」
糸子:「ちょっとお父ちゃん」
正典:「それを秀臣さんは望んどんのやでぇ。どんなに頼りない息子でも、親は頼りにしとんやでぇ。親が大変なときに見放すようなこと言うたるな」
友春:「え。大変な時て?」
正典:「や。......すまん。ちょっと聞いてしもて」
友春:「なんや?」
正典:「製作所、今、経営不振なんやな......」
友春:「ほんまなんけ?」
秀臣:「会社を経営していれば、そういう時期もある」
幸助:「おい、何迷とんど」
松江:「焼き鯖職人になる決意しとったんとちゃうの?」
喜代美:「優柔不断やなぁ」
糸子:「幸助さんも松江さんも、友春くんに継いでほしいんけ?」
松江:「うちはそねしてほしい」
順子:「お母ちゃん」
松江:「ちょっとでも早うそねしてほしい。このままやったら、順子のお腹はどんどん大きなっていく。街の人らぁがそれ見てぇ、最初は『なんや太ったなぁ』言うてぇポンポンと肩でも叩いてからこうとったんが、だんだんだんだん遠巻きにコソコソコソコソ『あれ、ちょっとおかしいんちゃうの?誰やな相手の男』言われてぇ」
正平:「リアルな描写やなぁ」
正典:「普段、自分がやってるさけぇ
松江:「順子がそんな目ぇに遭うのは...耐えられへん......」
順子:「お母ちゃん......」
糸子:「順子ちゃんは、どねしたいねや?それがいちばん大事なんとちゃうけ?」
順子:「わたしは......、わたしは一人で平気や。結婚なんかせんでも一人で子供育てるでぇ」
喜代美:「順ちゃん」
順子:「(幸助と松江に向かい)お父ちゃん、お母ちゃん。わたし、お母ちゃんの田舎行く」
喜代美:「え」
順子:「お祖母ちゃんとこお世話になって、この子を育てる」
幸助:「順子......」
順子:「...心配せんといて。子供が手ぇ放れたらまた戻ってくる。魚屋食堂はちゃんと継ぐでぇ」
友春:「順子、お前本気なんか?」
順子:「本気や」
喜代美:「順ちゃん、なんでそんな嘘つくん?順ちゃん言うとったやな。『友春さんがいとおしい』って。『一所懸命なアホほどいとおしいもんは無い』って」
順子:「B子、いらんこと言わんといて!」
喜代美:「いらんことやないわな!なんでほんまのこと言わんの。『友春さんのことが好きなんや』て、『結婚して一緒に子供育てたい』てなんで言わんの?」
順子:「そんなこと思とらん!」
喜代美:「思とる!順ちゃんは、そう思とる」
順子:「ほやかて、わたしぃ、怖いんや。何があっても天災、天から降ってきた災い、そね思ってどんなことでも乗り切ってきた。ほやけど、今度のことはそうやないぃ。天から降ってきたんやなくて、自分でしでかしたことや。ほしたら、ものすご怖わなって。逃げたなって。『できちゃった結婚』やで」
糸子:「順子ちゃん、その『できちゃった結婚』言うのやめなれ。『そんなつもりやなかったのにできてしもぉてしゃあないから産むぅ』みたいな言い方しなんな!お腹の子が可哀想やな」
喜代美:「順ちゃん。人生はこれからや。どーんと人生のど真ん中、歩いていったらええねん。順ちゃん、わたしにそね言うてくれたやな。ほやでぇ、わたしこの街出ることができた。『自分の人生やのにコソコソ隅っこ歩きたない』、その気持ちに正直になることができたんや。順ちゃんが私に、あの時、そね言うてくれんかったら、草々兄さんと出会えんかった。幸せになれんかった。ほやでぇ、順ちゃん、どーんと人生のど真ん中歩いてって!」
順子:「......B子」
喜代美:「『一所懸命なアホ』に順ちゃんもなってよ。いちばん好きな人と幸せになってよ」
秀臣:「......野口さん。友春を順子さんと結婚させてやってください。それから、魚屋食堂の跡継ぎにしてやってください」
正典:「秀臣さん......」
友春:「お父さん、ほんまにええんけ?」
秀臣:「そうしたかったんやろ?(幸助と松江の方を向き頭を下げ)お願いします」
順子:「......お父ちゃん、わたしもそねしたい。友春さんと子供と一緒に、魚屋食堂をやっていきたい」
幸助:「......わかった」
友春:「(身を乗り出し)お父さん!」
幸助:「ただし、条件がある。......喧嘩はすな。仲良う暮らせ」
友春:「......はい」
順子:「......ありがとう」

第91回

● 第87回の面子に今度は小次郎と奈津子が加わって、これがなんとびっくり第3回以来1,319分ぶりの6人での夕食に。

正平:「ほんまにお父ちゃんとお母ちゃん、早よ仲直りしてぇなぁ。このままお姉ちゃんのご飯が続くのはキツいでぇ」
喜代美:「ちょっと」
小次郎:「ええ歳して夫婦喧嘩なんかすんや」
正典:「『ええ歳して』ってお前にだけは言われたないわ
小次郎:「なんやと!」
奈津子:「兄弟喧嘩もやめ」
小次郎:「ま、仲直りするには演出がいるわな」
喜代美:「演出?」
小次郎:「ほや。夜景の綺麗なホテルのバーに行くとか、朝目が覚めたらバラの花が敷き詰めたぁるとか」
正典:「何で金も無いのに金のかかりそうなことばっかり思いつくんねや、お前の頭は

● 「ごめんください」と、五木ひろし(五木ひろし)がいきなり和田塗箸店にやってくる。店先から大声で呼びかけると、わらわらとやってくる和田家の面々。さて、つい30秒前に「あれ、絶っ対腹黒い」と断定した正典の反応やいかに。

喜代美:「お、お父ちゃん!みんなも来てぇ!五木ひろしや!」
小次郎:「(声だけが聞こえる)え゛ーーーーーー!!!」
小次郎:「(五木ひろしを指差し)ほんまや!」
奈津子:「あ...(五木ひろしを指差し)五木ひろし!」
草々:「あ、これが五木ひろしか」
小次郎:「(草々を引っ叩き)なんで知らんのど」
正典:「喜代美ぃ、何をまた妙な冗談を。(店先に顔を出し)わ。五木ひろし!

(コピペ用)今週の正典さん